あらすじ

この映画は、みなさんにこの偉大な作曲家のオペラ作品を知って頂くことのみが目的で作られました。歴史にとって真に重要であるもの、すなわち彼の音楽に焦点を当てるために、彼の生涯をドラマ化したフィクションにならぬようにしました。各々の音楽作品の抜粋に、大部分は未公開である映像、ドキュメント、録音が添えてありますが、この映画製作のためにのみ、個人コレクションから譲られたものです。撮影は、父リヒャルトとその息子ジークフリート二人のワーグナーを愛好する、歴史的で重要な伝統がある国々のスイス、ドイツ、スペインで主に行われました。

現在、「ジークフリート・ワーグナー −最後のロマン派−」は、この偉大な作曲家のみを扱ったものでは唯一の視聴覚ドキュメントです。ジークフリートが死の数年前、その成功の絶頂期にいた1920年代、オットー・ダウベは彼の生涯と作品についてのドキュメント映画を作りました。数年後の彼の死後、第二次世界大戦中、1944年に彼のものであった家の一部が空襲で壊され、ドキュメント映画の唯一残されていたであろうコピーも損失しました。最終編集から外されたと推測される場面の非常に短い断片のみを取り戻すことが出来ました。それが、今回の新しい映画に含まれたものです。

ジークフリート・ワーグナーは、疑いの余地なくヨーロッパロマン主義の代表者であり、最後のロマン主義の作曲家であると考えられるでしょう。彼の死から数年後、そして第二次世界大戦の後、新しいヨーロッパで流行は推移を見せ、ロマン主義は追いやられ、信奉者は徐々に小人数の知識人のグループのみとなりました。

映画「ジークフリート・ワーグナー −最後のロマン派−」は、不当にも忘れられた作曲家の存在を世に知らせる他に、明らかに優れた音楽様式を人々が感性豊かに認識しその普及に努め、ヨーロッパの文化遺産を人々の間で再生させる助力となることを目的としています。